2020-01-01から1年間の記事一覧

『マインドハッキング』

事の始まりは、2009年のオバマ大統領の誕生だ。 当時、他の候補よりも若くテクノロジーに明るかったオバマは、「イエス・ウィー・キャン!」のメッセージに代表されるような、華麗なブランディング戦略を駆使し、共和党のヒラリー・クリントンを抑えて、第44…

『Learn or Die 死ぬ気で学べ』

現在、日本で唯一のユニコーン企業として知られているプリファード・ネットワークス(以下、PFN)という会社をご存知だろうか。 ユニコーン企業とは、企業価値の時価評価額が10億ドル(約1,065億円)以上の非上場企業のことを言う。 本書では、この謎の集団…

『[NHKスペシャル] 人体Ⅱ 遺伝子』

本書は、2019年5月に放送されたNHKスペシャル『シリーズ「人体」Ⅱ 遺伝子』をベースに、遺伝子研究の最前線の成果を紹介したものである。 書籍化にあたっては、番組で紹介しきれなかった最先端の情報も数多く含み、美しい写真と共に全2集に分け200ページほど…

『移民が導く日本の未来』

コロナショックで露呈したのは、日本の人材不足による、レジリエンス(復元力、危機対応能力)の低さである。 日本はその特異な地形ゆえ、自然災害が多い国であるため、危機に対する認識・準備が最も備わっていて然るべき国のはずであるが、実際は、検査官や…

『上海フリータクシー』

本書は、今の中国の現状を知るには、もってこいの本だ。 インターネットが登場し、微博という中国版ツイッターでは政権批判なる意見が飛び交うところを見ると、ひと昔前に比べれば中国社会は一見よくなっているように思える。 しかし、多くの中国人はまだ自…

『自分の薬をつくる』

本書は2019年に行われたあるワークショップをもとに書かれた本である。 このワークショップでは、誰にも言えない悩みを持った人々が集まり、診断室と見立てたセットの中で、一人ずつその悩みを打ち明けていく。 セットと言っても簡易的な衝立が立てられてい…

『ワークマンは商品を買えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』アパレル市場に残る大革命の全貌とは

新型コロナウイルスの流行による、飲食・観光業への打撃は大きく報道され、休業要請が行われたり、Go Toキャンペーンが推進されている。 すっかりその陰に隠れてしまっているが、ユニクロをはじめとする小売業にもその影響が降りかかっているのは言うまでも…

『新型コロナウイルスを制圧する』新型コロナに関する待望の一冊

現在、新型コロナウイルスは第2波とも呼べる猛威を奮っている。 そんな中、待望とも呼べる一冊が発行された。 それが本書『新型コロナウイルスを制圧する』である。 本書は、そんな新型コロナに対する著者の疑問を東京大学医科学研究所の河岡義裕教授へぶつ…

『スマートマシンはこうして思考する』全てのビジネスマン必読のAI本

これまで一体いくつAI(人工知能)あるいは機械学習に関する本を手にしてきただろう。 それにもかかわらず、AIとは?機械学習とは?と聞かれても、十分な説明もできずにいた。 これは、多くの人にとっても同様ではないだろうか。 人間の思考とAIの思考はどう違…

『カラスは飼えるか』カラスを飼うこと食べることについて本気で考えてみた。

鳥類本にハズレなし。 なぜかわからないが鳥類本には面白いものが多い。 鳥類は絶滅した恐竜の血を引いている生き物という点で非常に興味深いし、実に多様な生態やその特質は人類を長年の間魅了してきた生き物であると言えよう。 本書もタイトルを見て即手に…

『両利きの組織をつくる』2兎を追って2頭を得る驚きの経営手法

成熟した日本企業が抱える経営課題とはなんであろうか。 それは、新興企業による破壊的なイノベーションによって目まぐるしく変化する経営環境に適応していくことである。 しかし、ほとんどの企業は既存事業を守ることに精一杯で新しい成長領域に挑戦するこ…

『地球に住めなくなる日』環境問題なくしてアフターコロナは語れない。

英国の分析によれば、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞する中、今年の世界の温室効果ガス排出量は過去最大の減少を記録する見込みとなるようだ。 2020年は前年比5.5%減少する見通しで、年間減少率としては大恐慌や第二次世界大戦などを上回る…

『ヤクザときどきピアノ』封印した己の渇望を解き放て!

本書は、約40年越しに起きた感動の物語である。 ある中年の男が今まで諦めかけていたことに、ある日突然挑戦するといった話はよくある話である。 定年を迎え、仕事で忙しくてできなかった趣味に挑戦する人も多いことだろう。 だが、本書は挑戦した人物と挑戦…

『13歳からのアート思考』仕事や人生で結果が出せないあなたの為に

本書『13歳からのアート思考』とは、美術教師でもある著者による、これまで述べ700人以上もの中高生を相手に実施してきた実際の授業をもとにした体験型の本である。 各章は著者が選んだ6つの偉大な作品のうちから1つを取り上げる形で、実際の授業を受けてい…

『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』AI,クラウド,5Gをもれなく理解したい方へ

本書は、AI、5G、クラウドといったこれから理解必須のテクノロジー技術に関して、著者自身のグローバルな経験から、一般読者にわかりやすく解説した本である。 データを大量・高速に送受信する5G、データを保存・処理するクラウド、そしてデータをもとに判断…

『がん免疫療法の突破口(ブレイクスルー)』病の皇帝が王座を追われる日

本書は、がん治療に革命をもたらしたある治療法について書かれた本である。 これまでがんの治療法には主に3つの手段があるとされてきた。 その3つとは、外科手術、放射線治療、毒物による化学療法である。 この「切る」「焼く」「毒を盛る」の3つの手段によ…

『クリーンミート』人工培養によるステーキ誕生まで秒読み?!

2013年、ロンドンで世にも奇妙な試食会が行われた。 そこで振る舞われたのは、牛の幹細胞をシャーレで培養して人工的に製造された「人工肉」を使ったハンバーガーだ。 試食会の参加者は「肉のジューシーさは無いが、食感は完璧だ」、「脂肪分がなく赤身の肉…

『ラディカル・マーケット』若き天才経済学者からの挑戦状

今の世の中、経済では資本主義が、政治では民主主義が、最も最善の意思決定方法とされている。 しかし、資本主義においては、トマ・ピケティが私有財産をキーワードに富裕層と貧困層の格差が広がることを示した。 また、政治では、民主主義によってアメリカ…

『撃ち落とされたエイズの巨星』一人の人間が多くの命を救う奇跡の物語

本書は、エイズ撲滅に関し、多大な貢献を果たしたユップ・ランゲ博士(以下、ユップ博士)について、その功績を称えた本である。 ユップ博士は、2014年7月、オーストラリアのメルボルンで開催される予定だった第20回国際エイズ学会に向かう最中、マレーシア…

『「人間とは何か」はすべて脳が教えてくれる』さあ、教養への扉を開こう!

本書の価格は2200円、300ページにも満たない本としては少々高値と感じる。 しかし、脳科学がどこまで私たちの脳について解明できたかを理解することができて、なおかつ、誰の日常にも生かすことができる知識を授けてくれる本書は、それだけの価値を持つに値…

『人口減少社会のデザイン』アベノミクスよりも強力な国家戦略

普段通勤している何気ない光景を思い浮かべて欲しい。 その中には、毎日同じ時間にあなたと同じ電車に乗っている人たちがいるかもしれない。 だが、あなたはその人たちの名前や何をしているのかも全く知らない。 東京といった都心に住んでいれば、こうした日…

『ドライバーレスの衝撃』スマートフォン以上の変革が私たちの生活を激変させる。

2016年10月、ウーバーの傘下企業オットーが開発した自動運転トラックが、コロラド州の高速道路を120マイル(約193キロ)走行し、ビール200ケースを運んだというニュースが流れた。その間、人間のドライバーは寝台で休んでいたという。 また、テスラは、まさ…

『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』読書本来の楽しさを味合わせてくれる本

本書は、整数論の非常に重要で難しい予想問題である「ABC予想」に関連して発表された「宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論」(以下、IUT理論)について、広く一般の読者にわかりやすく伝えることを目的に書かれた本です。 このIUT理論は、2012年に京都大学の望…

『デジタル・ミニマリスト』スマホを賢く利用する哲学

皆さんの1日を思い浮かべて欲しい。 スマートフォンを開いては、Twitterでリアルタイムで更新される最新の世の中の動向をチェックし、 Facebookでは、友人一家が投稿した赤ちゃんの写真に「いいね」を押して、 Instagramから届いた、先日呼ばれた友人の結婚…

『まなの本棚』天才子役の成功の秘訣

2004年6月23日生まれ。5歳で出演した「Mother」で脚光を浴び、2011年に出演した「マルモのおきて」ではドラマ初主演を務める。第34回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。2013年には映画「パシフィック・リム」でハリウッドデビューも果たす。 これでもかと煌び…